特徴
プレス成形シミュレーションソフトウエアASU/P-formは100社以上のお客様にご利用いただいている国産ソフトウェアです。
静的陽解法の採用による高い予測精度と、多彩なシミュレーション機能を持ち、設計者が容易に扱えるユーザーインターフェースを兼ね揃え、また充実のサポートでプレス加工に携わる技術者を支援するCAEツールです。

ロバストかつ高精度解析を可能にした
『静的陽解法』
ASU/P-formでは、高精度で安定的に解析結果を得るため『静的陽解法』を採用しています。一般にプレス成形のシミュレーションにおいて高精度な解析結果を得るためには、以下の問題を解決する必要があります。
・材料の非線形性
・製品の大変形
・製品と型との接触
これらの問題に対し、静的陰解法は静的つり合い問題を精度よく解くスタンダードな解法ですが、解析途中で計算が収束せずに解析結果が得られないことがあります。
動的陽解法はロバスト性が高く高速に解析結果が得られますが、製品の振動が解析結果に含まれることによって、精度が低下することがあります。
そこで、ロバストな陽解法を使用しつつも、静的問題を精度よく計算するR-min法を採用し、安定的に解析結果を得ることを可能とした解析手法が『静的陽解法』です。

導入効果
各工程でおこる様々な不具合現象を可視化するだけでなく、主要因を導きだすことで開発工程の短縮・コスト削減・品質向上を実現することが可能です。


主な機能
板厚ひずみの表示とワレ・シワの予測
・板厚ひずみを表示し、ワレやシワの発生する部位を予測することで設計をサポートします。

板厚の増加・減少率の表示
・成形過程における初期板厚からの増加・減少率の推移を表示できます。これにより、目標板厚を下回っていないか、急激な板厚の変化が無いか、などを確認することができます。

高精度スプリングバック解析機能
・高精度なスプリングバックの解析が可能であり、成形によるスプリングバック量の予測が可能です。目標とする製品形状になっているかを確認できます。
・解析後は、カラーコンターでスプリングバック量が表示ができます。


ワンステップ展開算出機能
・製品モデルから簡単に展開形状を算出することができます。過去製品のリバースエンジニアリングなどに役立ちます。

多工程解析
・プレス加工の工程の流れに沿った多工程の解析が可能です。前工程の影響を加味できるため、解析精度の向上が見込めます。

多工程解析の例
吉田-上森モデル(Yoshida-Uemoriモデル, YUモデル)対応
・高精度な弾塑性材料モデルである、吉田-上森モデルが使用できます。高張力鋼板(ハイテン材、ウルトラハイテン材)の成形では高精度な解析結果を得ることができます。
・弊社の試解析では440MPa, 590MPa, 780MPa, 980MPa級のハイテン材のプレス成形に対し、実物と解析で10%以内の解析精度を得ることができました。
・旧材料モデル(等方硬化モデル)と比較しても、特に高張力になるほどその精度に違いがみられました。

実物と解析の形状一致率

実物と解析の差異(左:吉田-上森モデル; 右:旧材用モデル)
しごき解析
・円筒絞り製品に対してソリッド要素によるしごき解析ができます。ソリッド要素はシェル要素と比較して、高精度であり、解析のわかりやすさの向上や、厚物での解析に適用できます。

絞り解析
・ソリッド要素での絞り解析ができます。

トリムラインとブランク展開ラインの予測
・トリムラインとブランク展開ラインを表示・予測することで設計を支援します。

トリムライン・ブランク展開ラインの表示
ブランクレイアウトの表示と自動最適化
・ブランクのレイアウトを表示でき、事前に歩留まりの確認ができます。これによりレイアウトの作成時間を短縮することができます。
・最適なレイアウトを自動で見つけ出し、歩留まりを最小化します。レイアウト検討時間の削減や、材料費などの面で生産性向上をサポートします。

ブランクレイアウトと歩留まり算出
各種分析データ表示
・応力・節点力・ひずみ・変位などをカラーコンターで表示します。

各種分析データ表示
解析結果自動レポート表示
・シミュレーション結果を自動でレポート化することができます。レポート作成時間の短縮(生産性向上)と、解析ノウハウの蓄積をサポートします。

トリムライン・ブランク展開ラインの表示
成形限界線図(FLD)
・引張・圧縮の状態を明示する成形限界線図をプロットし、設計を支援します。

成形限界線図(FLD)
成形荷重グラフ
・金型にかかる力(成形圧)をグラフ化し、成形荷重などに対する設計を支援します。

成形荷重グラフ
断面表示機能
・断面を表示し、目標形状との差異・スプリングバック量などをわかりやすく見える化することで、設計をサポートします。

断面表示機能
ソルバースケジューラーによる解析状況表示
・ソルバースケジューラーが入っているため、解析の進捗状況・順番などを確認できます。これにより容易に解析順番の変更や解析の中断ができ、解析ジョブ管理の煩わしさから開放されます。

ソルバースケジューラー画面
日本語インターフェース
・日本語に適応したユーザーインターフェースとマニュアルのため、安心して操作を学ぶことができます。

プリ・ポスト画面
プロジェクト管理データベース機能
・蓄積される多数の解析プロジェクトは貴重な資産ですが、その数が増えるほど、目的のプロジェクトを探し出すハードルは高くなります。
・ASU/P-formのデータは、プリ・ポストが一体となったプロジェクトデータ単位で格納するので、いずれかが行方不明になることはありません。
・更に、付属の専用データベースアプリProject Managerを使えば、ローカルストレージやNASに格納されたP-formプロジェクトデータの検索を容易にします。データベースへの登録も最小限の労力で行えます。

プロジェクト管理データベース機能画面
その他の機能
・簡単セットアップ自動登録機能
・材料特性を標準装備
・各種測定機能(板厚測定・スプリングバック量測定)
・ショックライン予測
・STLデータの出力(スプリングバック形状見込み支援)
製品別機能一覧
項目 | ASU/P-form GX | |
開発 | 先端力学シミュレーション研究所 | |
販売 | 先端力学シミュレーション研究所 | |
Solver | オリジナル | |
下死点まで | 静的陽解法 | |
スプリングバック | 静的陽解法 | |
並列処理機能 | ○ | |
吉田-上森材料モデル対応 (Yoshida-Uemoriモデル, YUモデル) |
○ | |
基本機能 | 日本語対応 | ○ |
操作性 | ○ | |
要素種類 | シェル/ソリッド | |
材料ライブラリーの有無 | ○ | |
Windows対応 | ○ | |
Windows64bit対応 | ○ | |
スプリングバック解析 | ○ | |
対応型CADフォーマット | STEP/Parasolid/ACIS(SAT)/IGES/STL |
・Microsoft Windows7、 Microsoft Windows XP
・Intel Core i7 Series、Intel Core 2 Duo、Intel pentium、Intel Xeon、Intel EM64T、AMD Athlon or AMD Opteron-based processor
・8GB RAM以上
・グラフィックボード1GB以上