03-6304-1306

熱流体シミュレーション支援ツール
ASU/Pre-FOAM

ソフトウェア詳細

特徴

ASU/Pre-FOAMはオープンソースのCAEソフトウェアOpenFOAM用のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)です。OpenFOAMは無料でダウンロード及び利用可能な熱流体シミュレーションソフトウェアで、低コストで幅広い熱流体解析を行うことが可能です。OpenFOAMを導入する場合、シミュレーションの設定が煩雑なことが障壁となります。ASU/Pre-FOAMを利用することで、OpenFOAMの設定をGUIを用いて簡単に行え、短期間で目的のシミュレーションの実行が可能となります。

導入効果

費用の削減

商用熱流体解析ソフトウェアに比べて、きわめて低コストで熱流体解析の導入が可能です

導入の負担軽減

丁寧な導入サポートと優れた操作性でスムーズに導入できます

シミュレーション設定時間の短縮

初心者でも利用しやすい操作性でシミュレーション設定時間が短縮できます

大規模シミュレーションの実現

OpenFOAMはライセンス制限がないので、並列数の上限なくシミュレーションが可能です

カスタマイズ可能

ご希望のシミュレーションあるいは用途に合わせて専用ソルバーおよびGUIをご用意できます

主な機能

日本語に対応したGUIによる条件設定

日本語に対応したGUIを使い、複雑な熱流体解析の設定を簡単に行えます。またOpenFOAM特有のキーワード、コマンド、ディクショナリを意識することなく、熱流体解析の設定ができます。

ASU/Pre-FOAM画面

形状の読み込みおよび作成機能

熱流体解析の対象となる形状をSTLファイル形式で読み込むことができ、GUIの3Dビューワーに表示された形状を通じて、メッシュ幅や境界条件の設定が視覚的に行え、設定の複雑さや設定ミスの軽減につながります。またシリンダー、ボックス、球体などの簡単な形状は、ASU/Pre-FOAM内で作成できます。

形状の読み込み、作成画面

計算領域の自動作成および簡単編集

計算対象となる領域をボタン一つで自動で作成できます。またGUIの3Dビューワー内でのマウスクリックにより、寸法、位置、メッシュ数を簡単に編集できます。

計算領域の自動作成および編集画面

メッシュ設定機能

メッシュ設定機能では、計算対象となる形状に対して表面のメッシュ幅、特徴線の再現の有無、表面レイヤーの設定をGUIで簡単に行えます。また形状とその形状に割り当てたメッシュ幅は、専用のプロパティグリッド画面を通して視覚的に確認ができ、間違いのない設定を支援します。

メッシュ設定画面

専用メニューによるソルバーの選択サポート

扱いたい熱流体現象、物理モデル、機能のチェック項目を選択することで候補となるソルバーが表示され、適切なソルバーの選択をサポートします。

ソルバー選択画面

流体-固体熱連成解析機能

複雑な流体-固体熱連成解析をモデル形状を確認しながら容易に設定ができます。

電池パック内の熱流動解析例

物性値の設定

OpenFOAMでは物性値について、多項式近似やSutherlandの式などのモデル式により温度依存性を考慮することが可能です。ASU/Pre-FOAMでは、代表的な流体についての物性ライブラリを内蔵し、物性値の設定を容易に行うことが可能です。物性ライブラリは、既存データの編集や新規のデータを追加することも可能です。

物性値の設定画面

熱物理特性の設定

OpenFOAMでは熱物理特性として様々な項目を設定することが可能ですが、適用可能な設定項目の組み合わせが使用するソルバーによって異なり、適切な設定を行うことが非常に煩雑な作業となります。ASU/Pre-FOAMでは、ソルバー毎に適用可能な組み合わせのみ表示されるため、スムーズに作業を進めることができます。

熱物理特性の設定画面

物理モデルの設定

ASU/Pre-FOAMでは、OpenFOAMに実装されている乱流モデル、化学反応モデル、輻射モデルなど様々な物理モデルの設定に対応しています。さらに、各モデルについて詳細なパラメーター設定も行うことが可能です。

乱流モデル、輻射モデル、化学反応モデルの設定画面

境界条件の設定

OpenFOAMの計算ファイルでは、境界条件の設定は流速、圧力、温度など各物理量に対して個別のファイルを作成する必要があり、多数の境界面がある解析対象では、その設定作業に多大な時間を要します。ASU/Pre-FOAMでは、境界条件の設定に関する作業効率を大幅に改善することができます。また、境界条件をリスト化し、各境界面に対してリストから選択する方式を採用しています。これによって、複数の面に同じ境界条件を設定することが効率よく行うことができます。

境界条件の設定画面

移動領域の設定

回転するファンの解析など解析領域内の一部が移動領域となる場合、移動領域の範囲指定や移動条件の設定が必要となります。ASU/Pre-FOAMでは、解析モデルを見ながら、移動領域の範囲指定や条件の設定を行うことが可能です。

移動領域の設定画面

離散化スキームの設定

OpenFOAMでは、離散化スキームについて様々な項目の設定が必要となりますが、設定項目はソルバーによって異なる場合があり、その設定は煩雑な作業となります。ASU/Pre-FOAMでは、各ソルバーに対して必要な設定項目が表示され、さらに、デフォルト値が入力されているため、離散化スキームの設定をスムーズに行うことが可能です。

離散化スキームの設定画面

解析事例

回転ファンの流れ解析

回転ファンのような回転体を取り扱う場合でも、移動領域の設定機能を用いれば、GUI画面上で簡単に回転領域を設定できます。

流速回転成分の等値面分布

ドローン機体周囲の気流解析

回転問題の応用的な事例としてドローン機体周囲の気流解析を紹介します。複数のプロペラとドローン機体を含むような複雑な形状に対しても、簡単に回転領域を設定できます。

渦領域(Q値)の等値面分布

給油タンクのスロッシング解析

気液二相流体解析の事例として給油タンクのスロッシング解析を紹介します。ASU/Pre-FOAMでは液相を分布させるセルゾーンを簡単に設定することができます。

上:バッフルプレート有り
下:バッフルプレート無し

旋回火炎バーナにおける燃焼解析

燃焼解析で必要となる燃焼ガスの物性値や化学反応特性は非常に複雑で設定に困難を伴いますが、ASU/Pre-FOAMでは化学種の物性ライブラリを用いて簡単に設定できます。また、CHEMKIN形式のデータ読み込みにも対応しており、お客様が所有するCHEMKIN形式の反応モデルを容易に取り込むことができます。

旋回火炎バーナ
(TNF WorkshopのSydney Swirl Burnerを模擬)
火炎の温度分布

電池パックの流体-固体熱連成解析

流体-固体熱連成解析の事例として、リチウム・イオン電池の電池パックの熱流体解析を紹介します。ASU/Pre-FOAMではモデルを確認しながら簡単に流体領域と固体領域を作成できます。

電池パックのモデル
・電池パック部分は固体領域
・それ以外のケース内部は流体領域
電池パック表面の温度分布

機能一覧

項目 ASU/Pre-FOAM
開発 先端力学シミュレーション研究所
販売 先端力学シミュレーション研究所
解析ソルバー OpenFOAM
解析次元 2次元平面流れ
周期境界条件による軸対称流れ
3次元流れ
解析種別 定常/非定常
慣性/非慣性系座標による移動境界
複数座標系によるスライディング境界
数値手法 時間積分(Euler法/Crank-Nicolson法/後退差分法)
移流拡散(中心スキーム/風上対流スキーム/TVDスキーム/NVDスキーム)
補間スキーム(linear/cubicCorrection/midpoint)
並列計算 OpenMPIによる並列計算、自動領域分割
物理モデルと物性 流体 圧縮性/非圧縮性、ニュートン流体
乱流モデル 2方程式モデル(標準k-ε/Realizablek-ε/SST k-ω)/LES(標準Smagorinsky)
輸送物性の温度依存性 Sutherlandの式、多項式近似
熱物性の温度依存性 NASAの多項式、多項式近似
化学種の混合、化学反応 素反応モデル、PaSRモデル
自由表面流/混相流モデル VOF法
多孔質モデル Darcy則モデル、べき乗則モデル
輻射伝熱輸送解法 Discrete Ordinates法
固体/流体連成伝熱法 Conjugate Heat Transfer
データアクセス ジオメトリデータ STL形式によるジオメトリデータの読み込み、書き出し/単純なジオメトリデータの作成
メッシュ生成 メッシュ領域の設定、編集、メッシュ生成詳細設定(細分化設定、スナップ制御、レイヤー設定、メッシュ品質制御)
システム環境設定 標準配色/プリント配色/アイテム色、座標軸、計測マーカ、マウス設定、単位系設定、切断機能、カスタマイズキーの登録、アプリケーションの外観の設定など
推奨動作環境 OS Windows7以降の64bit
CPU Intel Core i3以上
メモリ 8GB以上
グラフィックボードメモリ 1GB以上
  • ※ ご要望に応じた機能や設定項目の追加、専用化等のカスタマイズ対応が可能です

ご相談・お問い合わせ

048-424-7545