
CAEによる電子基板の信頼性評価
スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイスなどの小型化、低背化、高機能化により、実装基板と電子部品の小型化と高密度化が進展しています。同時に、車両用電子機器や屋外設置用機器などは、夏の炎天下から寒冷地までさまざまな温度条件に対する適合性が求められ、実装基板と電子部品の耐久性と信頼性評価の重要性はますます高まっています。
ASTOMは、実機試験を必要としないCAE(Computer-Aided Engineering)を活用した電子部品と電子基板の解析サービスを提供することで、実装基板と電子部品の高信頼性を確保し、開発期間を短縮し、コストを削減するお手伝いをしています。

電子部品・電子基板解析サービスの内容
・基板の厚さ、筐体への装着方法、コネクターの接続などの条件や外力や自重などの影響による実装基板の変形や応力を評価
・熱や振動による基板破損の危険度、結合部の負荷状態を確認
・稼働時の部品発熱による実装基板の温度分布や熱変形を確認
・熱源の分散配置やレイアウトの放熱効果などを事前評価
etc.


電子部品・電子基板解析事例
弊社がこれまでに取り組んだ電子部品・電子基板解析事例をいくつかご紹介いたします。
解析事例a) 熱サイクル試験寿命評価
・基板と電子部品の熱膨張係数の違いにより発生する接合部の応力やき裂などの損傷をCAEを用いて評価します。
・実装電子基板のはんだ接合部の疲労寿命は、高温/低温を繰り返し印加する温度サイクル試験によって評価されますが、加速試験でも数ヶ月を要する場合が多く、開発期間の短縮のために、CAEを用いた寿命予測が有効です。
・TCTサイクル試験を模擬したCAE解析を行い、実装電子基板に対する疲労寿命を評価します。
・均一温度荷重に対する非線形構造解析
・TCTサイクル中のはんだのダメージパラメータΔWの評価(パワーモジュール寿命予測システム ASU/PM-Lifetime)
①モデルメッシュの作成(自社開発スクリプトによるメッシュの半自動生成)

部品全体

BGA
②チップ発熱による熱伝導解析


③発熱温度荷重による熱応力解析


解析事例b) 振動サイクル試験寿命評価
・実装電子基板の固有周波数から周波数応答、過渡応答のCAE解析により、振動による破損の危険度、結合部の負荷状態の評価を行うことで、基板破損の原因究明、応力分布の可視化、解決策の検討が可能となります。
・基板の厚さ、筐体への装着方法、コネクターの接続などの条件や外力や自重などの影響による実装基板の変形や応力を評価します。
電子基板に対する自重・外力・固有振動・温度・熱応力解析
① 基板の形状およびチップの位置・サイズの入力による解析メッシュの自動作成

② 基板設置時の自重によるたわみ解析

*自重に対する線形静解析実施
図は変形倍率 x300
③ 基板の固有振動モードおよび振動数の算出


1次

2次

3次
④ チップの発熱 → 温度分布 → 熱応力解析の実施

温度分布

自重+熱応力
*定常伝熱解析 & 熱膨張に対する線形静解析の実施
解析事例c) EMC試験評価
・基板や電子部品から発生するノイズ(EMI)、外来ノイズ(EMS)による誤作動レベルをCAEを用いて評価します。
・電磁界3Dシミュレーションによってノイズの伝搬状態・共振の様子を可視化することで、原因の特定と、抵抗とコンデンサなどの素子を追加するなどの低コストな対策を試作レスで実現することが出来ます。(マルチフィジックス解析サービス)
解析サービスの流れ
課題分析 | お客様の課題をヒアリングして、CAE解析実施の可否を診断致します。 | 費用:無料 |
ご提案 | 解析仕様の検討を行い、御見積提案を行います。 | 費用:無料 |
解析業務 | モデル作成、解析条件設定、計算実行、計算結果の妥当性確認、計算結果の考察、報告書の作成など一連の解析作業を実施します。 ※適宜、中間報告をさせていただきます。 |
費用:50万円~ 期間:2週間~ |