熱・信頼性設計でお困りの方へ
基板接合工程でお困りの方へ
熱設計・信頼性設計解析支援サービス

材料や構造の最適化を行い、高放熱・高寿命なモジュール設計を実現します。
パワーモジュールの需要が急速に増加しています。電気自動車、再生可能エネルギー、スマートグリッドなど、多様な分野での応用が拡大し、より高性能で信頼性の高いパワーモジュールが求められています。
パワーモジュールはスイッチングのON/OFFによってチップ発熱による温度上昇→冷却水への放熱による温度低下という繰り返し温度サイクルに晒され、このとき異なる材料間の界面では線膨張係数の違いにより繰り返し熱応力が生じます。これにより接合材やワイヤボンディングにダメージが蓄積され、やがて熱疲労による破壊につながります。
このような現象の評価には一般に熱サイクル・パワーサイクル試験を実施しますが、数か月の期間と大きなエネルギー消費を伴う場合があります。
ASTOMはパワーモジュールの寿命評価にフォーカスしたCAEソリューションをご提供しております。課題を事前に洗い出し設計パラメータの最適化により製品開発を支援します。
伝熱シミュレーション
温度分布、熱の流れ、注目箇所の温度時刻歴等の結果を得ることができます。
・チップ発熱時の温度分布と熱の流れ: どのような放熱経路となっているか、どの材料が放熱の妨げとなっているかを確認することができます。
・パワーサイクル試験時のチップのジャンクション温度Tj時刻歴: 最高温度の値や昇温・冷却がどの程度の時間スケールで行われるかを知ることができます。

チップ発熱時の温度分布 熱の流れ

パワーサイクル試験Tj時刻歴
熱応力シミュレーション
チップから生じた熱による変形の様子や応力、ダメージパラメータ⊿Wの分布を見ることができます。
チップ接合材の⊿Wは外周部で最大値となっており、ここから破壊が生じることがシミュレーションから予測されます。

熱によるモジュールの変形

チップ接合材⊿W分布
寿命予測式
シミュレーションにより得られたダメージパラメータ⊿Wの値は、パワーサイクル試験や温度サイクル試験から得られた寿命サイクル数について寿命予測式として関係付けることができます。
これにより、新しい設計に対して⊿Wの値をシミュレーションにより求めることで、試験を行う前に寿命を予測することが可能となります。

寿命予測式による信頼性評価
接合工程解析サービス

接合ムラ、基板割れ、接合後の反り変形など接合工程で発生する問題を解決します。
大面積接合時の接合ムラ、チップや基板の割れ、接合後の反り変形など接合工程においては様々な品質保証上の問題が発生します。どのような問題が発生しそうか、品質要件を満たすためにどうすればよいか、CAEを利用することで事前に検討しておくことが可能です。
接合工程のシミュレーション
接合工程では基板に対して荷重を加えながら高温にし、その後室温まで冷却します。 このときの荷重と温度変化の影響により基板には反り変形が生じ、大きな応力負荷が掛かります。
シミュレーションから接合工程後の変形の様子や応力・ひずみの分布が得られます。
変形図は接合後の変形を20倍に強調したもので、その断面を見ると上に凸の形状の反り変形が生じていることや反り量の大きさがわかります。

接合後の反り
白:初期形状 青:接合後

接合後の基板応力分布
シミュレーションによる接合条件の最適化
シミュレーションでは接合条件を変更した場合の効果をすぐに確認して比較することが可能です。
ここでは反り量に対する「接合温度の変更」「接合荷重の変更」の効果を評価しました。その結果、低温、高荷重の条件で接合を行った場合に反り量が最小となることが分かりました。このようにシミュレーションで最適な接合条件の組み合わせを効率的に求めることができます。

接合条件を変更した場合の反り量の変化

受託解析・コンサルティングサービス
・単体モジュールからインバータ等のマルチモジュール、基板に実装した状態まで対応
パワーモジュール寿命予測システム(ASU/PM-Lifetime)
・ASU/PM-Lifetime_D1: 熱と応力信頼性評価用
・ASU/PM-Lifetime_D2: 接合評価用